【書評】スパイスカレー自由自在/水野仁輔【感想・レビュー】

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#水野仁輔 #スパイスカレー #隠し味 #アルゴビ

スパイスカレー自由自在 [ 水野仁輔 ]

価格:1760円
(2024/5/24 15:22時点)
感想(2件)

あったらあったで、ないならないで。

「あったらあったで、ないならないで。」をテーマに、シンプルなカレー&足し算したスペシャルなカレーを紹介。

なのですが、表紙をめくったところでいきなり「あったらあったらで」と誤字(初版)が・・・・・・。

(16ページではちゃんと「あったで」になっています)

シンプルなカレーのほうは本当にシンプル。

「メインの具材」と「玉ねぎ」「GG(ジンジャー、ガーリック)」の三点が基本のアイテムとされています。

トマトでさえも応用のアイテムなんですね。

GGについては「ないならないで」とおっしゃることもある水野さんですが、この本では「あるとないとでは大違い」とのことです。

パウダースパイス

パウダーはお得意の3スパイス。

ターメリックとパプリカに、クミンを足せば北インド、コリアンダーを足せば南インドに。

もしくはクミンとコリアンダーの茶色たっぷりに、ターメリックとパプリカのどちらかをプラス。

その4パターンのいずれかでレシピが作られています。

ホールスパイス

定番のカルダモン・クローブ・シナモンがBチームです。

Aチームはというと、フェンネル・マスタード・クミン。

レッドチリのみのケースがCチームの扱い。

いずれかをパウダースパイスと組み合わせます。

隠し味&隠し香り

シンプルなカレーからスペシャルなカレーにするときの、「隠し味」と「隠し香り」の組み合わせの妙が、この本のいちばんおいしいところだと思います。

巻末にちかい96~97ページに載っている「スパイスカレー自由自在レシピ早見表」を眺めるだけでも楽しいです。

たとえば以下のような組み合わせ。

具の総量

レシピは4人分、完成量は800gの目安はオーソドックスですね。

さらに具の総量が400~500gだと作りやすいという基準があって助かります。

シンプルなカレーだと肉が400gでわかりやすいですが、スペシャルなカレーになったときは肉を200gに減らし、サブの具材との総量で400~500gにすればいいとのこと。

レシピ

レシピは大きく「肉のカレー」「魚のカレー」「野菜・その他のカレー」の章立てです。

「肉のカレー」ではくし形切りにするなど、それぞれで玉ねぎの切り方、炒め方が固定されています。

章立ても含め、『スパイスカレーの基本』(2022年)とリンクしているようです。

また、各レシピにある「自由自在のヒント」という部分もおもしろいです。

たとえばキーマカレーのページで「なすを加えたのは、油脂分を吸ってくれるから」とあったり、チキンカレーでは「トマトを具として投入し酸味を」加えたり。

カリフラワーカレーはスペシャル版で私の好きなアルゴビに。

「ココナッツミルクを合わせるのはあまり見られない手法」とのことですが、たしかにそうですね。

塩麹とキムチの追加も攻めています。

キドニー豆のカレーは、バターチキンのキドニー豆版とのこと。

柚子胡椒やししとうを加えるのは、バターチキンにも使えそうなアイデアです。

ライブクッキング

巻末には、ライブクッキングでチキンカレーを10品作る試み。

東京カリ~番長のリーダーこと伊東盛さんが登場。

水野さんとの対話のなかで、材料や方法をチョイスする思考がわかります。

バターチキンカレー調理中の写真には、タカナシの生クリームが写っています。

スープチキンキーマカレーはホールスパイスのみで作るというチャレンジ。

ハーブチキンカレーでも「パウダースパイスの濃厚な感じにしたくないので、ホールスパイスを使う」とのこと。

リーダーはサーグが得意なんですね。

チキンカレーだけで10品、いろんなバリエーションの思考法を学べました。

欲をいえば、それぞれおいしかったのかどうか、うまくいかなかったものがあれば反省点なども知りたかったです(もしかして全部大成功だったのならごめんなさい)。

蛇足

ゴーヤを加えるとカレーの味に物語性が生まれる・・・・・・!?

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感想(2件)