【書評】インドカレーのきほん、完全レシピ 「エリックサウス」稲田俊輔のおいしい理由。【感想・レビュー】

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#稲田俊輔 #インド #バスマティライス #ビリヤニ

「エリックサウス」稲田俊輔のおいしい理由。インドカレーのきほん、完全レシピ (一流シェフのお料理レッスン) [ 稲田 俊輔 ]

価格:1980円
(2024/5/24 15:24時点)
感想(2件)

はじめに

玉ねぎ

「ボイルドオニオングレイヴィ」というめずらしい手法が紹介されています。

水野仁輔さんも「切らずに蒸し煮」をおすすめされていますが、この本ではさらにミキサーに。

トマト

水煮缶のメリットはないとのことです。コスパはありがたいのですが・・・・・・。

じっさい、置き換えの数字を出していただいています。

「トマトピューレ100g=トマト缶160g」

という計算だそうです。
同じく、

「生トマト100g=トマト缶80g」

とのこと。
つまり、

「トマト缶400g(1缶)=トマトピューレ250g=生トマト500g」

という計算になります。
やはりコスパは缶が最強です。

缶のなかではクラッシュ(裏ごし)タイプがおすすめされています。ホールトマトをつぶして使っても良いそうです。

ニンニク

丸のままを形がなくなるまで長時間煮込む使い方もあるそうです。

ガラムマサラ

市販のおすすめはS&Bとマスコット。

S&Bは以前、ロイヤルマサラという商品をおすすめされていましたが、入手困難なのでふつうのガラムマサラに変更されたのかもしれません。

マスコットは継続しておすすめされています。

テンパリング

マスタードシードだけとても詳しく、1ページまるごと使われています。

マサラ

カレーのベースとなるもの(オイル+香味野菜+スパイス)を「マサラ」と呼ぶそうです。

あいまいに使われがちな言葉に明確な定義を与えていただけるとすっきりします。

水野仁輔さんの「カレーの素」、印度カリー子さんの「グレイビー」に該当するでしょうか。

その他

あると便利な道具のひとつに、赤外線温度計がセレクトされています。

お得意の重量表記は、皮むきなどの下準備を終えた状態が基準。

「バターは有塩で」とは意外ですが、ちゃんと塩分を計算すればOKということなのでしょう。

「~ことがあります」「場合によっては」「このケースでは」といった表現が多くあり、いろいろなやり方に目を配られていることがわかります。

レシピ

スタンダードなインドカレー

チキンキーママタルでは、フェンネルが手に入らなければクミンで代用してよいそうです。香りは違う気がしますが、たしかにシードの形状は似ています。

バターチキンは鶏もも肉。コリアンダーもクミンも使いません(ガラムマサラに含まれていますが)。カルダモンは鞘を割り、中身は取りださないパターンです。

「本書では全て、無糖のプレーンヨーグルトを使います」と、39ページになっていまさら宣言。インド料理には酸味の強いものを少量が効果的とのことです。

コルマとクルマという言葉はメニュー名でよく目にしますが、北インドのコルマ(肉と乳製品)が、南インドでクルマ(野菜とココナツミルク)に。

ココナツミルクについても先ほどのトマトのような式で、

「ココナツミルクパウダー25g+ぬるま湯75g=ココナツミルク100g」

となります。

海老のカレーについて、むき海老は食感がプリプリしすぎで不自然になるそうです。

また、海老自体、ソースに旨味を放出しないためインドカレーには不向き。

作る場合は、シンプルなスパイス使いがよいとされています。

ローカルなインドカレー

豆のダールベースが4~8人分(800g)で紹介されているので、大量に作りやすいです。

個人的に好きなメニューであるアルゴビは、じゃがいもとカリフラワーを同時投入(3分蒸し煮)となっています。

ポークビンダルーはふつうのお酢のレシピです。

レストランスタイルのインドカレー

この章のカレーのベースが、「はじめに」にあった「ボイルドオニオングレイヴィ」です。

インド料理アラカルト

ビリヤニはタミル式とハイデラバード式(ダム式)で、それぞれ盛りつけ方まで指南していただけます。

バスマティライスについては湯取り法が紹介されています。

チャパティは全粒粉と塩、水のみのレシピです。

フライパンやホットプレートでOKなのでためしてみたくなりますね。

ナンはフライパンの後、直火で炙ります。

カレーの食べ方の紹介もあり、どんな食べ方でも自由とのことですが、スプーンにすくったご飯をカレーにひたすのはNG扱いされています。

タンドールはもともとパン焼き用の窯で、肉を焼くのは20世紀以降の西洋料理の影響だそうです。歴史と地理がバターチキンなどを作ってきたんですね。

ケバブは肉にスパイスをあわせて焼いた料理の総称と定義されています。

コフタはひき肉のケバブで、そのコフタを金串(シーク)に巻きつけて焼くとシークケバブになります。

また、アチャールは少しずつ日本でも知られてきましたが、タミル地方ではウールガイというそうです(漬物の総称)。

サブジは野菜を使った汁気のないカレーの総称で、トーレンはサブジの一種。

こうしてわかりやすく定義していただけるのはたいへん助かります。

蛇足

このページのファイル名、何となく「inada001」としましたが、稲田さんのお名前、ローマ字で書くと「india」に似てますね。

「エリックサウス」稲田俊輔のおいしい理由。インドカレーのきほん、完全レシピ (一流シェフのお料理レッスン) [ 稲田 俊輔 ]

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